宝石の都チャンタブリーへ初めての仕入れ旅

宝石の都チャンタブリーへ初めての仕入れ旅

かつては宝石の産地だったタイは、現在は宝石取引が活発に行われる国となり、チャンタブリーも世界有数の宝石のマーケットとして賑わいを見せています。

世界中から宝石が集まるチャンタブリーへ、念願だった初めての仕入れの旅に、私・GTJメンバーのるるは、GTJ代表のイルモと共に向かいました。

 


──ひとつの宝石と出会うまで


街中に多くの宝石があるものの、納得のいく宝石は簡単には見つからず、街の端から端まで一日中歩いて探し回りました。

とある店で代表が見せてくれたのは、コーンフラワーブルーがあまりにも美しく、思わず息を呑んで見惚れるような宝石でした。

代表がこの宝石を見つけたのは数年前ですが、ずっと心に留まりながらも今回ようやく仕入れることが出来たそうです。

長い年月をかけて地球が育み、採掘されるまでにも時間がかかり、研磨されても更に店先で何年も待ち続けた宝石。

これまでの道のりを思うと、ようやく見つけられた一石との出会いの奇跡に感動しました。

 


──作品になる宝石を仕入れることの難しさ


沢山の宝石の中からやっと見つけた美しい宝石を代表に提案しますが、なかなか仕入れる判断にはなりません。

宝石の魅力を引き出すことを大切にするため、宝石が元々持っている個性と美を見極め、どんなカットを施して作品になれるかを想像しながら、丁寧に宝石を観察して決めます。

内包物がある、サイズが小さすぎる、厚みが足りないなどの理由で、GemTreeJapanで作品として製作するには適さない宝石が数多くありました。

また、プロポーションのバランスや、色だまりの位置などのために、手を加えてしまうとかえって魅力が減ってしまうような宝石もありました。

一方で、美しい結晶ばかりが作品になるわけではありません。

一見すると、内包物や傷が目立つような宝石でも、取り除けば本来の美しさが表れるような宝石もありました。

綺麗な宝石なら作品になれる、状態が良くないから作品にはなれない、そんな風に簡単には決められないのだと実感しました。

さらに、適した宝石を見つけたとしても、そこから価格交渉が成立しなければなりません。

これらの幾つもの条件をクリアして、ようやく仕入れることが出来ます。

数多くの宝石を見ましたが、私が仕入れて作品として完成したのはたった一石でした。

 


──GemTreeJapanの理念を深く感じた体験


私が仕入れたのは、ライトイエローにブルーの色だまりが浮かぶペアシェイプの作品です。

イルモ監修のもと、初めて作品のデザインとピアッちゃんとの連携も体験しました。

この作品は、カットする前はキューレットの位置が大きくずれている上に、キューレット付近にも色だまりがありました。

また、カットした結果、1ctをキープできるか極めてぎりぎりの状態でした。

これらを考慮して、シェイプは変えず、キューレット付近はあえて完全な左右対称ではなく僅かな曲線を持たせることで、色だまりを残しつつ削りすぎないことで重量も残すことになりました。

完成した作品は、全体のバランスが良くなり端正な表情になって、輝きが何倍にも増し、カラーも深まり、透明感も際立って色だまりがぐっと引き立ちました。

宝石の美しさを最大限に引き出すGemTreeJapanの理念が形になった時、宝石の本来の素晴らしさが溢れ、まるで内側から輝いているように見えました。

この理念を十分理解していると思っていましたが、仕入れから製作までを体験したことで、その意味を深く感じることができました。

 

GemTreeJapanの完璧なカットとは、ただ正確なわけではなく、宝石を活かすカットである。

全く別の作品に作り変えるのではなく、宝石のありのままの個性や美しさを、ただ丁寧に表に出していく。

必要以上に手を加えることはなく、不要なものを削ぎ落として整えることで、本来の魅力が輝くのだと実感しました。

そしてこの理念は、仕入れなかった宝石も含めた全ての宝石に対して、貴重なただひとつの結晶を大切にする想いをも含んでいるように感じました。

出会った宝石全てに、どうすればその宝石らしさが活きるのかを考えることは、どんな宝石とも真摯に向き合う敬意の表れでもあるのです。

 

──この旅を通して伝えたいこと


たった数日の間に、沢山の経験をして、書ききれないほどの想いを感じました。

その中で私が一番伝えたいことは、GemTreeJapanの品質の高さや仕入れの苦労ではありません。

それは、作品が手元に届くまでに経たストーリーを感じて、宝石をより楽しみ、より繋がりを感じてもらいたいということです。

私がまだGemTreeJapanのメンバーになるずっと前、次々と紹介される作品を見て、宝石屋なら美しい宝石は容易に手に入るのだと思っていました。

しかし、実際に体験したのは、作品になってご紹介できるまでの幾つもの高いハードルや難しさです。

現代は、ネットショップやミネラルショーなどで、気軽に宝石を手に入れることができます。

だからこそ、縁あって手にした宝石との絆を感じて、宝石との幸せな時間を過ごして頂きたいと心から思っています。

すでにお手元にある作品も、これから出会う作品も、長い年月と数々のドラマを経て、たったひとりの持ち主であるあなたのもとに来た、たったひとつの作品です。

今までより少しでも、宝石の魅力が増して、作品がより輝いて見えると嬉しいです。


これからも驚くような美しい作品をご紹介したい、もっと喜んで頂きたい、一緒に宝石を楽しみたい。

そんな気持ちが強くなり、私自身も宝石への愛が深まった仕入れの旅でした。

 

GemTreeJapan

るる

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