コレクション: Kanchanaburi Sapphire 2026

タイ・カンチャナブリー産サファイアのカラーについて



タイ西部に位置する、かつてサファイアの一大産地として名を馳せ、現在は観光地として人気を博しているカンチャナブリー。

 

この街は、僕自身がサファイアという宝石を本当に好きになるきっかけとなった、特別な場所でもあります。



これまで何度も足を運んできましたが、近年は宝石業界全体の価格高騰の影響を受け、相場は上昇。


さらに、もともと美しい結晶の産出量が少ない上、鉱山の多くはすでに閉山しており、現存する個体数そのものが年々減少しています。


現地での仕入れは、確実に難易度を増していると言える状況です。



そんな中、長年通い続けて築いてきた仕入れ元との信頼関係と、土地に根付いたネットワークを活かし、先日も美しいカンチャナブリー産サファイアを仕入れることができました。


今回は、改めて「カンチャナブリーサファイアのカラー」に焦点を当てて、少しお話ししたいと思います。



カンチャナブリー産サファイアの代表的なカラーは、ブルー・イエロー・パープル。


特にブルーは産出量が圧倒的に多く、"スリーピー"と言われる霧がかったようなシルキーさが特徴の深いブルーが大半を占めます。


もちろんロイヤルブルーやコーンフラワーブルーカラーの結晶もありますが、透明度の高い品質の良いものは稀です。


イエローは明るく華やかなものが多く、オレンジ寄りは少ない印象で、非加熱の結晶が多い印象です。


グリーンも存在しますが、その多くは明るいトーンに限られ、タイ東部のチャンタブリーやバンカチャ産に見られるような深く濃いグリーンの結晶は、産地が持つ色のバランスとしてはあってもおかしくない気がしますが、現地ではほとんど見たことがありません。



今回の仕入れで特に印象的だったのが、

パープル系サファイア、そして非加熱の原石を複数ご紹介できたことです。


さらにピンクを含んだ結晶も確認できました。ブルーとピンクの混ざり合いが生み出すパープルは発色が良いです。


これまでも数石パープル系の作品はご紹介して来ましたが、「ブルーとイエロー」の印象が強かったカンチャナブリー産に、新たな色の可能性を感じさせてくれる収穫だったと思います。


非加熱のインクルージョンの表情の豊かさも印象深いものでした。


そして、カンチャナブリーサファイアについて、ぜひ知っていただきたい点がもうひとつあります。


それは、ライトカラーサファイアの煌めきの強さです。


霧がかかったような“スリーピーさ”が特徴と語られることの多い産地ですが、稀に透明度の高い結晶があり、特にライトカラーのものは、カラフルなファイアーが非常に出やすい傾向があります。


太陽光下での輝きは、思わず息をのむほどです。


また訪れる予定ですが、次回の仕入れは閉山してしまった産地のため、未知数。


今回は偶然にも豊作だったと言っていい数と質の仕入れが出来て、幅広いカラーのカンチャナブリー産サファイアをご用意しておりますので、ぜひお楽しみいただけると嬉しいです。


GemTreeJapan

イルモ