コレクション: 2025.9.20 ミャンマー(ビルマ)産サファイア

ミャンマー(ビルマ) サファイアについて

 

おはようございます。

スタッフのノリちゃんです。


ミャンマー産サファイアをまとめてご紹介となりますので、ブログを書き起こしました。


「五分ほどで読めて、ちょっと役に立ちそう」な内容ですので、ぜひ時間つぶしにご一読を。




今回は産地の部分の「Burma(ビルマ)」についての説明から始まり、ミャンマー産の特徴などを簡単におさらい出来たらと思います。


ビルマとは、ざっくり言えば現ミャンマーの事です。

一時期政治的な理由からビルマ国という名前が付いており、現在もビルマと呼ぶ方も少なくありません。

グーグルマップでも(ビルマ)表記が付いていますね。


GemTreeJapanで「Burma」と表示されている物はミャンマー産と同義です。

裏のラベルに関しても基本「ミャンマー(ビルマ)」となっております。




次に、ミャンマー産サファイアについて。


サファイアは割と産地で言えば多く産出する分類の石になります。

酸化アルミニウムなので、特段珍しい元素ではありません。

日本では新潟県や奈良県でも採る事が出来ます。





産地が多くても、鉱床や出来方によって品質が大きく変わります。

その中で、深く鮮やかなブルーにキメの細かいベルベット感のあるミャンマー産は、サファイアの評価としては上位にあたる評価を得ています。

市場価値の視点で言えばインドカシミール産が極端に一番高く、その次あたりに相当するほどミャンマー産のサファイアは価値が高い位置に座しています。





コランダムは色によって宝石名が異なり、「赤はルビー、その他サファイア」と呼ばれます。

鉱物学では自体は同じなので、同じ産地で両方取れる事は良くあり、寧ろルビーの「クロム」が希少元素にあたる為、基本的にルビーの産出量はサファイアより圧倒的に少なくなります。


ミャンマーの採掘事情は地理的にクロムに富み、ルビーの方が多く産出され、青く深い綺麗なサファイアは産出される量が圧倒的に少ない、この部分からも「綺麗で数が少ない希少なサファイア」として評価されています。




ミャンマー産全てがロイヤル・コーンフラワーブルーになる訳ではありません。青色の幅はあります。

ミャンマーでも鉱山は幾つかありますが、鉱山まで絞って購入する事は非常に困難な為、現在では鑑別所で出来る「国単位」の鑑別を持って満足する程度で良いかとノリちゃん的に思います。


ただ仕入れ元の情報では、基本的に高品質なルビー・サファイアはモゴック産のものが大半を占めると聞いています。

大きい所で言えば、モンスーやナムヤーという産地(鉱山)のなまえを聞いたことがある人も多いかもしれません。


ルビーの産出が多い一方で、サファイアは数こそ限られるものの特に美しい結晶が得られるのは、地理的条件によるものです。

 

モゴックはクロムを多く含む地質環境を持ち、その影響で濃く鮮やかな赤を帯びたルビーが豊富に産出します。

特に大理石母岩とクロムの供給源の組み合わせが、この地ならではの美しいルビーを生み出しているのです。




本題であるサファイアには、火山岩性と変成岩性の鉱床があり、前者は鉄分に富む為美しさに鈍色系統が混じりやすい傾向にあります。

カンボジア、オーストラリア、タイ等がそれに相当します。

これらの産地にて美しいサファイアは、数が少ないこともありカナリ珍しく、その分値段もはります。

鉄による灰色が入るとロイヤルブルーや、コーンフラワーの判定がされない為です。

下の画像はタイ産で美しいのですが、鉄分に富み鮮やかさよりも濃さが先行しています。



それに対して、後者の変成岩性が、カシミールやミャンマーとなり、鉄分をあまり含まず、チタンによる美しい発色の為、こちらは大変美しく雑味のない青色を呈する傾向があります。

そして、シルク状(細かい針状)インクルージョンを含み大変独特で美しい風合いを呈し、シルクインクルージョンは細く短い傾向にあります。

シルクインクルージョンが生じやすいかどうかは、二酸化チタン(ルチル:金紅石)の存在によって左右されます。


ビルマ産コーンフラワーブルーサファイア3.110ct


一次・二次鉱床の話は今回は置いておくとして、ここら辺の違いだけ分かっていると、「この産地とこの産地では、雰囲気が違う」というのが見て分かります。



それでは存分にGemTreeJapanを象徴する宝石、サファイアを存分に楽しんでください!




Sapphire / Burma