閉山したタイ・カンチャナブリーの希少なサファイアを求めて

"閉山したタイ・カンチャナブリーの希少なサファイアを求めて"
かつてタイではルビーやサファイアなどが産出されましたが、その産地のひとつがタイ西部に位置する、自然豊かな街カンチャナブリーです。
全盛期にはサファイアを中心に採掘されていましたが、1990〜2000年代に大規模な採掘は終了し閉山状態となっています。
現地で流通している残り少ないカンチャナブリーのサファイアは美しく、その魅力を愛するGTJ代表イルモとGTJメンバーの私るるで仕入れの旅に向かいました。

"カンチャナブリー産のサファイアとは"
カンチャナブリーではブルーを中心にイエロー・グリーン・パープルのサファイアが主に産出されます。
内包物には、シルクインクールジョンや皮膜状の内包物などがよく見られ、透明度が低く宝石が曇って見えるほどのものが多数を占めます。
結晶の厚みがなく小さいものが多いため、どの色合いでも美しいプロポーションの宝石や原石を見つけることは稀です。
深過ぎるカラーや内包物のために、綺麗なものは全体の数%しかないと言われることもありますが、この産地にしかない個性と美しさを持った知る人ぞ知る宝石なのです。

"縁に導かれ過去最多数の宝石と出会う"
既に閉山し、なおかつ僅かしかない美しい結晶を見つけることは、まるで宝探しのように途方もない冒険です。
どこに宝石があるのかも未知で、宝石店から土産物屋まで可能性を広げて一軒一軒探しました。
その結果、代表の馴染みの店主やバイヤーをはじめ、偶然に知り合った人や予想もしない所から出てきた宝石との出会いがありました。
現地へ何度も足を運んでいる代表も、これほどの数を一度に見たことがないと言うほど、多くの宝石を見ることが出来ました。
時には食事をご馳走になったりと現地の方々の温かさに触れる中で、宝石は人と人との縁が繋いでくれるものだと体感しました。

"現地だからこそ強く感じた希少性"
この旅で数百個を超える宝石を見ましたが、その殆どが内包物が多くカラーにも濁りがあり、GemTreeJapanでご紹介出来るクオリティとは程遠いものばかりでした。
厚みがなく小さいものも多いため、内包物が少なく煌めきが出るものを見つけると、それだけで驚くほどでした。
現地でさえも美しい結晶を見つけることは難しく、作品に適したものとなると更に限られ、これほど多くの数を一度に見たからこそ貴重さを強く実感させられました。

"多くの出会いによって見えたカンチャナブリー産の魅力"
今回多くの宝石を見られたことで、産地らしさや貴重さをより感じることができました。
柔らかなカラーが溶け合う色のバランスや深さ、スリーピーで滑らかさを感じる質感など様々な要素が絶妙に混ざり合い、カンチャナブリーらしい良い雰囲気のサファイアが生まれています。
カラーの幅はそこまで広くないものの、内包物が面白い表情を持った個体も多く、一言では語れない奥の深さが大きな魅力だと感じました。

"カンチャナブリーで深まった宝石の面白さ"
以前訪れたチャンタブリーでは、宝石と出会うまでのドラマや宝石の貴重さを再確認しましたが、カンチャナブリーでは宝石そのものの魅力をより強く感じました。
宝石は同じものがなく、カラー、インクルージョン、プロポーション、輝き方、カットなどの様々な要素の組み合わせによって、全ての宝石は地球にたったひとつだけの唯一無二の貴重な存在です。
宝石が大好きでそれを理解していた私自身も驚きましたが、一見同じように見えても必ずどこかが違い、今回沢山の数を見たからこそ本当に同じものは一つとしてないのだと実感しました。
そして、宝石と出会うことは人と出会うことでもあり、多くの人に紡がれた宝石との縁に、宝石に宿った心や温もりを感じました。
宝石そのものが持つオンリーワンの魅力と、地球から人へ、人から人へと情熱のリレーのように繋がっていることを体感し、知れば知るほど奥の深い宝石の面白さをまたひとつ感じられた旅でした。

カンチャナブリーの宝石は、この先新たに産出されることは無く、端正なカットが施された美しい結晶は市場での流通も殆どない希少なものです。
それぞれに微妙に異なる色合いや質感、角度や光源で少しずつ変わる繊細な表情を通して、ひとつずつ異なる宝石の貴重さや面白さをお伝えできればと思っています。
縁が紡いでくれた作品たちを複数ご紹介できるこの機会に、カンチャナブリー産の魅力を知って頂くとともに、産地の個性や違いを感じて宝石って楽しい!と感じて頂ければ嬉しいです。
GemTreeJapan
るる