カラーレスの簡単な原理 / カラーレス特集を添えて
こんにちは、ノリちゃんです。
公式では久々ですね!
今回は新しく私が用意したニアカラーレスゾイサイトや、代表イルモさんが仕入れたカラーレススピネルを出品するにあたって、
「どうしてカラーレスになるのだろう?」
という、単純な疑問を簡単にですが説明していく形で、
楽しんでいただくコラムになっております。
まず、カラーレスとは何か?
こちらは単純で、「カラーが無い=無色」であり、
無色透明の事を指しています。

GemTreeJapanが基本使用しているEGLでは無色を「Colourless」と表記しており、
それは日本でメジャーな研究機関のGIA、中央宝石研究所、日独宝石研究所も一緒になります。
日本語表記では当然「無色」です。
しかし、宝石名に「ホワイト」と付いている物があるのはご存じでしょうか?
代表的にな物はホワイトトパーズですね。
ホワイトダイヤモンドだけは意味が違ってそのまま「白いダイヤ」になります。

宝石業界ではホワイトと言うのは、無色透明を指しています。
透明なトパーズの他にもジルコンやサファイアに対して、
「ホワイト・○○」と使いますね!
宝石業界では様々な色が有る物に対して差別化をする為に使われています。
なので基本的にカラーが複数種類ある宝石に対してはホワイトを使う事が出来ます。
どの石に対してホワイト表記できるかの判別は難しいので、
もし鑑別書を依頼される場合は「ホワイトが出る様なら宝石名に記載してください。」と依頼するのも良いかもしれません。
ただし、ホワイトのレンジは狭く、特に日独宝石研究所はカラーに対してはかなり厳しいので「無色判定が出たらラッキー」と思う方が良いかも知れません。
ちなみに、バイヤー事情として日本も海外も「ニアカラーレスをカラーレスとして売る」事はよくある事です。
そもそも流通している数が少ないことが前提ですが、ホワイト・ゾイサイトは「無色のゾイサイト」として売られている10石を依頼して1個が無色で出るかでないか、そのレベルの希少性と感じています。

引用元:科学のグルメ様(https://kimika.net/r1shukihyoutosononakami.html)
宝石に色がつく仕組みを凄くざっくり言うと、宝石の組成式を見て表の赤色の元素のみで作られた物は無色に、
青色の元素が入った組成式は基本的に何色かが付いています。
今回扱う商品の一つ、スピネルはMgAl₂O₄です。
当て嵌めてみると全部が典型元素で出来ており、"純粋な物”は無色になります。
青色は₂₆鉄又は₂₇コバルトによって、ピンク~赤色は₂₄クロムによって色が付くわけです。
面白いですね。

今回の商品の一つ、カラーレス(ニアカラー)のゾイサイト 0.560ctになります。
長ったらしいですが、組成式はCa2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)であり、こちらも純粋であれば透明無色となります。
今回も完全なカラーレスとはいきませんでしたが、大分色の淡い物を仕入れて参りました。
今後も探してまいりますが、ニアカラーレスも美しくて良いですね!

余談でゾイサイトの面白い話ですが、カラーレスゾイサイトは多色性が無い様です。
日独宝石研究所の研究員さんの話では「地の色が薄ければ薄い程多色も無くなる」との事でした。
多色が出る時点で無色ではない可能性が有ります。
ただし、フェイスアップ(正面)から無色がでれば、多色があっても「カラーレス」になるそうです。
そして、カラーレスゾイサイトは加熱しても基本的には青色にはならないようですね。
内包された微量の遷移元素₂₃バナジウムによって、加熱で青紫色の美しい色合いになるとされています。
これもまた、鉱物学の面白い所ですね!

今回販売する内の1ピースのスピネルです。
こちらも上記に書きました様に純粋な物は化学式的に無色となります。
どれだけ純粋かどうかはFT-IR(フーリエ変換赤外分光)等の試験によって、
どの元素がどれだけ入ってるかによります。
ミクロな世界の分子量なので0ではなく、少なくとも入っていると思いますが、
カラーチャート上では無色の範囲となっている訳です。
如何だったでしょうか?
何故その石が、その性質(色や輝き、生い立ち)であるか。
手にした宝石を知る事によって、新たな価値を感じていただけたら嬉しいです。