コレクション: 2025.4.2 奥深いコバルトスピネル
おはようございます、ノリちゃんです。
~前置き~
GemTreeJapanでは、2024年のベトナム進出、開拓により幾つものサファイアやスピネル、その他の宝石たちをカットしてきました。その中に青く輝く宝石があります。
イルモさんから「ベトナムに行く。」という話が最初に出た時に、ノリちゃんは既にコバルトスピネルの要望を出していました。他産地でのコバルトスピネルは勿論把握していますが、トッピンと言えるネオン感激しく感じるベトナム産は外せません。
現地へ赴いた上でイルモ-ノリ間でのコンタクトを取ると、予想はしていましたが、中間業者を通さず現地で購入するにしても、綺麗な物は希少で非常に高い価値による高値でより取引されている報告を頂きました。
今ではベトナム産の他にタンザニア産も扱っています。
折角なので、このコバルトスピネルというのはどういう物なのか。記事に起こしてみましょう。
~鉱物としてのコバルトスピネル~

上の写真は鉄&コバルト(ベトナム)/コバルトのみ(ベトナム)/コバルトのみ(タンザニア)の3石です。含まれている元素や割合、産地によって様々な色合いがあります。
このコバルトスピネルとは何でしょうね?一般的にはスピネルにコバルトが入り、鮮やかな青色の発色をしたものを差しています。
スピネルが青色となる発色要因は以下の2元素があります。
・鉄(Fe) / コバルト(Co)
鉄で青くなる物はブルースピネル、コバルトで青くなる物はコバルトスピネル(※1)となります。
※1 コバルトスピネルはコマーシャルネームです。ソーティング及び鑑別書で宝石名に表記されないいわゆる俗称です。コバルトスピネルにおいては、一般的な鑑別書上の表記は「ブルースピネル」で、コメント等に「コバルトが入っている」旨が記載されています。
ここで注意をしておきたい点があります。鉄(Fe)とコバルト(Co)の両方が入ったスピネルです。
今回は日独宝石研究所様による表記での説明になります。2元素が入ったスピネルのコメント表記は以下の2通りです。
(A)鉄バンド及びコバルトバンドを認む
(B)コバルトバンド及び鉄バンドを認む
(A)では鉄メインのブルースピネル、
(B)はコバルトメインのコバルトスピネルになります。

こちらは、日独宝石研究所様によるソーティングです。対象の石は上の方にあるコバルト3石の内の一番右(タンザニア産)の物になります。コバルトによる発色を認めますが、大分色が濃いです。鮮やかではあるが濃淡によっても印象が大分変りますね。
〜扱っている商品達〜
GemTreeJapanではコバルト単体とコバルト&鉄の2種類のスピネルを扱っています。
こちらはEGLソーティングのコメント部分です。【コバルトと鉄のスピネル】と【コバルトのみのスピネル】の2つがあります。
GemTreeJapanでは前者を「鉄コバルトスピネル」、後者を「コバルトスピネル」として販売しています。
販売価格についてですが、鉄コバルトのスピネルの方が比較的安価にしていますが、色合いの良さやネオン感、作品の完成度などを考慮して価格を決めています。
グレーやラベンダーなどいわゆるコバルトスピネルとは呼ばれないものは、鉄コバルトタイプのスピネルとしてご紹介しています。
いずれにしてもブルーのスピネルは市場価値は高くどちらも非常に綺麗であり、石自体の綺麗さとカットの素晴らしさを実感してもらえる作品達となっています。